ABOUT
Daily Report is a project that two Artificial Intelligence generate fictional diaries. One was trained with a large number of articles posted on a blogging platform called “note” with #diary, and another was trained with diaries that the artist has been writing for more than two and a half years. Each Artificial Intelligence continues to post a journal to their LINE account daily, but we can not tell which AI wrote the journal at first glance. However, we would gradually be able to identify an author because we can sense the tendency of time to post and contents of the diary generated by the AI. We will use the two AI models to verify that not only intelligence but also individuality can be essential elements that constitute humanity.
NOTE: Currently out of operation.
人間は生まれながらにして唯一無二の存在であり、必然的に個性を持っている。それはたとえ、赤ちゃんであっても同様だ。高い知能のある振る舞いが見られなくとも、コミュニケーションが難しいとしても、彼らはその容姿や単純な振る舞いから独立した個であることが確認できる。個性があったとしても知性があるとは限らないが、いずれにせよ人間が「人間」と認識してきた生物には少なからず個性が発現している。 一方、人工知能は「生物、特に人間の知能を人工物、特に計算機(コンピュータ)によって模倣しようとする試み」である。これらの試みは、人間の知能を模倣することを目的としておりそこに個性が感じられるとは限らない。例えば機械翻訳に特化したAIモデルは、人間と遜色のつかない精度の翻訳を行うことが可能になってきつつある。しかし、その出力に個性を感じることはできない。特に、人工知能の中でも近年多用される機械学習は大量の学習データを要するため、データセットとなった文章を書いた作者の文体の癖や画像データの傾向はデータが多ければ多いほど薄まる。 人工知能が目指す先に個性があるとは限らないが、工夫次第では個性を与えることも可能だ。初音ミクは、その母体となる音声合成エンジンの vocaloid 単体ではただ与えられた入力を人間のような声で返す機械である。しかし、機械に対して初音ミクという名前と2次元の容姿をキャラクタライズすることにより「個性」を獲得した。また、日本マイクロソフトが開発した人工知能「りんな」は、モデルの設計段階から会話応答のキャラクタライズのためにさまざまなアルゴリズムを用いており、リアルな女子高生感が反映された会話を可能にした。人間は生まれながらに個性を持ってしまうのに対し、人工知能は知性の獲得と個性の獲得が分離可能だ。そして、機械に対して我々が「人間らしさ」を感じる瞬間は、その知性ではなくやはり個性である。
私たちは、知性ではなく個性に人間らしさを感じる。Daily Reportはこの仮定を鑑賞者自身が検証する作品だ。この作品では、ブログサイトであるnoteに「# 日記」タグをつけて投稿されている記事および作者の友人 4 人が書いた日記を学習したAIと、作者が約3年にわたり書き続けている日記を学習したAIが日報の著者となり、存在しない架空の日記を LINEアカウントに投稿する。ここで作者の日記を学習したAIは、文体や話題といった作者の個性を色濃く学習している。一方noteを学習したAI は、話題の一貫性や文体の癖が存在せず日々変化していく。鑑賞者は2 つのAI(著者)のうち、どちらが個人を学習したのか、もしくは膨大な数のnoteを学習したAIなのか、区別がつかない状態で日報を受け取る。鑑賞者はLINE公式アカウントを友達追加し、日々届く日記を読んでいくことで著者の区別を試みる。
生成された日報の著者は全て人間ではないことは、その文章生成精度の低さから自明である。本来機械学習モデルは大量のデータを利用しなければ精度の高い出力はできないため、2つがAIの学習した日記は文法的な自然さ、つまり知性の模倣が可能となる文章量には程遠い。しかし上述した仮定が正しければ、作者の日報を学習したAIが生成する日報に表れる個性に対して強い人間らしさを感じることができる。一方、note を学習したAIが生成した日報は、一貫した個性を感じられないため読み進めるほどに人間らしさを失っていく。 人間は生まれながらにして個性を持ち合わせるため、人間を対象に上述した仮定の検証は不可能である。この作品は、知性の獲得と個性の獲得が分離可能な人工知能を用いることで、「人間らしさとは何か。」という問いに突きつけた「個性」という一つの答えに対する回答を試みる。そして人工知能が汎用化した現代そして未来の社会において、AIの知的能力を向上させるだけでなく、個性の発達が人間とAIの親和性の向上に重要であるということを示したい。
(現在は運用停止中です)
WORK
I produced and implemented this work. Please see INFORMATION for more information on the technology.
本作品の制作、実装をしました。技術の詳細はINFORMATIONをご確認ください。
INFORMATION
https://medium.com/computational-creativity-lab-at-keio-sfc/cclab-21%E7%A7%8B-2021%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%A7%8B%E5%AD%A6%E6%9C%9F-%E7%9F%B3%E4%BA%95%E9%A3%9B%E9%B3%A5%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A-1062d1f72977
AWARD / EXHIBITION / CONFERENCE
・[Exibition] 慶應義塾大学SFC 徳井直生研究室 CCLab Exhibition 2021 Alternative Dimension (2021.9.23-2021.9.27 at Tiers Gallery, Tokyo, Japan)
VIDEO
PHOTOGRAPH
CREDIT
Artist: Asuka Ishii
Director: Nao Tokui
Special Thanks: Members of 「日報。」 (Kota Matsui, Ryo Takahashi, Taisei Takeshita, Taiki Tsukimiya)
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